国内

座間事件 白石容疑者を臨床心理士がプロファイリング

スカウトマンをしていた白石容疑者の女性に対する心理とは?

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、座間事件の白石容疑者の心理状態を読む。

 * * *
 神奈川県座間市のアパート室内で、クーラーボックスなどから男女9人の遺体が見つかるという身の毛もよだつ事件が起きた。死体遺棄容疑で逮捕されたのは白石隆浩容疑者。

 これまでの情報では、白石容疑者がツイッターで自殺志願者を探して、「自殺を手伝う」などと言葉巧みに誘い出していたということがわかっている。アパートに入居したのは8月22日、わずかな期間に9人を殺害、遺体をバラバラにしたという猟奇的な連続殺人事件。だが動機については金銭目的や乱暴目的と、様々な情報が飛んでいる。

 画面に映し出されたカラー写真の顔は、人あたりがよさそうで柔和な印象だ。おぞましい事件を起こした犯人には見えない。そのせいか白黒写真を使う情報番組もある。白黒写真の方が画像が粗くて表情が読めず、目が細く釣り上がって目付きが悪そうで、凶悪な犯罪者というイメージに近い。

 高尾署から送検される様子が1日の朝、生中継で流された。報道陣が待ち構える中、容疑者が乗ったバンが署から出てくる。レポーターが「容疑者はまっすぐ前を向いています」と実況中継した。陽の光が車の窓に反射していて、画面では車中の様子は伺いしれない。まっすぐに前を向いているという容疑者の様子を聞いた時は、この事件は快楽殺人なのかと思った。

 というのも、過去の連続殺人事件の逮捕時の写真を見てみると、快楽殺人犯の多くは、向けられたカメラの前で隠すことなく顔を上げている。その様子はふてぶてしくもあり、時には開き直っているようにすら見える。彼らには犯した罪への罪悪感がないからだ。自分を英雄のように感じていた犯人さえいる。

 山口母親殺害と大阪市で起きた姉妹殺人事件の犯人、山地悠紀夫は後部座席に座って顔を上げたまま薄ら笑いを浮かべていた。彼は「生まれてきたのは殺人をするため」と話したという。土浦市で起きた連続殺傷事件の犯人、金川真大は送検時、表情のない顔をまっすぐに前に向け、不満そうに舌の先をチラッと出すと土浦署の階段を下りてきた。2016年、相模原市の障害者施設で起きた大量殺傷事件で、犯人の植松聖被告が見せた得意げで奇異な笑い顔は、まだ記憶に新しい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン