ライフ

Nスぺで話題の血圧サージ 地道な生活習慣改善しか対策ナシ

習慣的な血圧測定が肝要

 血液には健康診断や人間ドックでの測定結果に表われにくいリスクもある。それが「血圧サージ」だ。NHKスペシャル(10月29日放送)や本誌前号(同30日発売)の特集でこの新概念が注目を集めている。

「血圧サージ」とは、血圧が高波のように急上昇・急降下する現象を指す。医師・医療ジャーナリストの富家孝氏は血圧サージが注目される理由に「高齢化」を挙げる。

「血圧は“就寝中は低め、朝は高め”というように一定のリズムがあるものですが、高齢者は動脈硬化の進行や自律神経機能の低下でこのリズムが乱れやすい。そのため気温低下や飲酒などによって、血圧サージを起こしやすい。これらの兆候は病院で日中に測定しても見過ごされがち。だからこそより緻密な研究と対策が求められているのです」

 血圧サージは年に1、2回の健康診断での血圧測定では把握できないため、自分で行なう習慣的な血圧測定が重要になる。起床後1時間以内の血圧を5日間にわたって測定し、平均が135mmHg以上、変化の幅が20mmHg以上だと血圧サージの疑いがあるとされる。

 高齢者は気温やストレスなどの要因で血圧が大きく変動する可能性があるため、起床時以外も1日数回測定することが望ましいという。

「血圧サージの場合、普段の血圧は正常範囲ということが多いため降圧剤など薬による血圧コントロールは適さない。ウォーキングなど適度な有酸素運動、減塩やカロリー管理など地道な生活習慣の改善しか対策はありません」(前出・富家氏)

 血圧サージは自分では気づかないうちに病気の発症リスクを高めていく。その先には命に関わる重病や、老後生活を暗転させる認知症が待ち受けているだけに、まずは自らが血圧サージであるかどうかを確かめることが重要になる。

※週刊ポスト2017年11月17日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン