ホテル活況が叫ばれて久しい。商売である以上、需要があれば料金を上げるのも仕方ないという中、上昇した料金に見合ったサービスを提供しようと先取的な試みをするホテルも増えている。特に地方のビジネスホテル、独立系や10店舗弱という小規模チェーンで、注目すべきサービスが見られる。数百店舗というチェーンには導入できないトライアルもあり印象的だ。
ホテル業界では人材不足も問題視されている。次々と誕生するホテルを眺めつつ、呼応する人材の確保ができているのか心配になる時もある。
ビジネスホテルのリミテッドサービスで高いホスピタリティを求めるのは筋違いという面もあるが、シティホテルであろうとビジネスホテルであろうと、ホテルスタッフの経験値は重要。ゆっくりくつろげ身を委ねられる安心感も、経験豊かなスタッフがいてくれればこそ。
様々な課題を抱えるホテル業界。観光立国の名のもと、押し寄せる訪日外国人客と、日本人の感覚、商慣習との折り合いのつけ方も試されているといえるだろう。納得性、料金変動、ビジネスモデルなど様々なワードが交錯する中で躍進を続けるアパホテル。評価は分かれても、宿泊特化型ホテルという業態の新たなメルクマールであることは間違いない。
■写真提供/瀧澤信秋