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2017.11.20 17:00  マネーポストWEB

コリアン・ショックに要警戒 日本経済に大ダメージの恐れ

韓国株の下落が日本経済に大きなダメージを与える可能性も


 バブル以来の最高値を更新した日本市場の株高は、バブル期を知る人々に泡が無限に膨らんでいく時の興奮と、その泡がいつか弾けた時の恐怖を思い起こさせている。現在の上昇相場の先には、どんな展開が待ち受けるのか、産経新聞特別記者の田村秀男氏が分析する。

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 今の株高は海外の投機マネーがもたらしている。主要各国の大規模な金融緩和によってだぶついたマネーを投資ファンドが日本株に投入しているのだ。

 かつての「いざなぎ景気」を超える景気拡大局面が続き、企業業績も好調なことから日本経済が世界から評価されていると解説する人もいるが、実際には世界的な投機の中に浮かんでいるにすぎない。

 だからこそ、何かあれば一気に株が売られて、日経平均もいつ下落してもおかしくない状況にあることを念頭に置いておく必要があるだろう。

 懸念材料はいくつもあるが、私が最も危惧しているのが韓国経済だ。年初から10月末までの上昇率を見ると、韓国の株価総合指数は25%も上昇している。史上最高値を更新する米ニューヨークダウは17%、日経平均は12%だから韓国株の上げ幅は際立っている。ITブームからサムスンなどが買われているが、明らかに上がりすぎだといえる。

 韓国経済には不安材料も多い。たとえば企業と家計の民間債務はGDPの1.9倍に上る。これは1997年のアジア通貨危機で韓国がIMF(国際通貨基金)の管理下に置かれた当時の1.6倍を超える水準だ。しかも韓国の株式市場は9割近くを外資が占め、彼らが資金を引き上げるようなことがあれば、再び通貨危機に陥りかねないという脆弱な構造を抱えている。

 20年前の危機への連想から資金が流出すればひとたまりもなく、その影響は20年前と同様、日本にも及ぶ可能性がある。

 うたかたに漂うがごとき不安定な現状である以上、来年にも韓国株の下落が始まり、日本経済に大きなダメージを与える状況が横たわっていることは肝に銘じておきたい。

【プロフィール】たむら・ひでお/1946年生まれ。日本経済新聞社に入社し、経済部次長・編集委員を歴任。2006年に産経新聞社に移籍し現在、特別記者・編集委員兼論説委員。

※週刊ポスト2017年11月24日号

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