国内

オレオレ詐欺に騙されたフリ作戦 5回逮捕に繋げた89歳も

シニアの名演技が成果を上げている(写真:アフロ)

「オレオレ詐欺」がこれほど注意喚起されるようになった今も、詐欺の手口はどんどん進化し、なくなる気配がない。だが、高齢者側も“騙されるかもしれない”という不安に脅えるばかりではなかった。自ら詐欺師を“とっちめる”人々がいた──。

「ユウヤだけども」

 東京に住む孫の名前を名乗る電話で、携帯電話の番号を変えたという話だった。福島県郡山市在住の無職・遠藤清さん(77)は、孫の本名を名乗ってきたことから、完全に信用した。

「明日10時にそっちに行くから」というので待っていたが、何時になっても来ない。心配になった遠藤さんが電話すると、ユウヤはこう言う。

「実は儲け話に乗って郡山の銀行から1000万円を借りて渡したんだけど、詐欺師だと気づいた。警察に逮捕してもらって600万円は戻った。けれどあと400万円を都合しないと俺が刑務所に入れられる。200万円が都合できたから、残り200万円を何とかしてもらえないか」

 隠居の身である遠藤さんだが、方々手を尽くして100万円ほどは工面した。ユウヤに連絡すると、「それを持って東京に来てくれ。4時までに払わないと」と焦った声で急かす。急いで新幹線で東京駅に向かうと、「自動車が混んでいて東京駅まで行けない。京葉線に乗って越中島という駅まで来てほしい」と言う。越中島に着くと、今度は「駅から少し離れた駐車場に行って、弁護士が来るのを待ってほしい。お金はその弁護士に渡して」と指示された。背広を着て現われた「弁護士のタナカ」を名乗る男に、遠藤さんは現金100万円を渡した。

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン