手っ取り早いのは、会議や打ち合わせなどミーティングの削減だ。会議については、私が以前から何度も提案している方法だが、過去1年間のスケジュール帳を見て、その会議で意思決定や情報共有がなされたのか、それ以降の成果にどれほど影響を与えたのか、ということを克明に調べ、何も得るものがなかった会議には×をつけて出ないようにするのだ。そうすると、少なくとも会議の3分の1以上、人によってはすべて削減できるはずである。
会議に出なかったら上司に叱られると言うかもしれないが、その場合は自分が分析した結果、何も得るものがなかったという証拠を突き付けて反論すればよい。それに逆上して「お前はクビだ!」と宣告できるような勇気のある上司はいないと思う。むろん、その上司には嫌われるだろうが、非効率的で自分のためにも会社のためにもならない働き方をするより、人に嫌われても効率的で自分のためにも会社のためにもなる働き方をすべきである。
打ち合わせや会合や会食も、削る基準は会議と同様だ。その人との対話が自分の仕事や人生にとってプラスになっていなければ、会う回数を減らしたり、同じ人には会わないようにしたりする。そういう仕分けをすれば、打ち合わせなども大幅にカットできるはずである。それで空いた時間を新たな人脈づくりに使うべきなのだ。過去の人間関係に執着せず、新しい人脈を築き続けるためには大変な労力が必要だが、意識してそうしていかないと無駄な打ち合わせや会合や会食を削ることはできない。
無駄なミーティングを惰性で続けていると、頭が無駄なものに対して鈍感になってしまう。それは間違いなく脳の退化につながる。いわば“脳の盲腸化”だ。そうならないためにも自分なりの基準を作って無駄なミーティングを削っていく必要があるのだ。
※週刊ポスト2017年12月1日号