ただ、今作は「高橋一生は服を着ていても十分、色気を感じる」「スーツ姿のほうがセクシーだから脱ぐ必要はない」という声も多いだけにやりすぎは禁物。当然ながら、ベッドやシャワールームで見せる細マッチョな肉体は、高橋さんが持つ魅力の1つにすぎませんし、何より藤堂は“政治家一族で育った世襲議員”というキャラクターだけに、セクシーさを強調するほど物語の本筋から外れてしまいます。
すでに裸を見せるシーンは減りつつありますが、その代わりに、悩み、もがき、ひと皮むけていく姿が見られるでしょう。「むしろ、こっちのほうがセクシーな表情に見える」という声もあがりそうですし、最終的にはそんな熱演で、「やっぱり今年は高橋一生の年だった」と言われる気がします。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。