ビジネス

インバウンド銘柄 旨味なくなったと見るのは間違いだった

「2年で8倍」のインバウンド銘柄も

 儲けているカリスマ投資家さえも、悔やんでも悔やみきれない「つかみ損ねた大爆騰」はある── 彼らの「反省の弁」は今後の投資を成功に導く大きなヒントになるはずだ。

 株式市場ではインバウンド(訪日外国人)銘柄は過去のものと見られていた。その象徴が免税店のラオックス(東2・8202)。2015年に5500円台まで騰がったが、今年8月には460円台にまで下げた。だが、資産3億円の“億り人”である御発注氏はこう語る。

「あらゆるインバウンド銘柄がラオックス同様に旨味がなくなったと見るのは間違いです。かくいう私も見誤った」

 例えば、極薄コンドームが中国人観光客に大ヒットした相模ゴム工業(東2・5194)は、この2年で3倍以上も騰がっている。

「インバウンドによるリピート率の高い銘柄は今も伸びている。ドラッグストアに医薬品などを卸す大木ヘルスケアホールディングス(ジャスダック・3417)もこの2年で3倍以上。中国人観光客がよく買っていた家庭用美容機器と親和性の高い、健康機器メーカーのヤーマン(東1・6630)は、この2年で8倍以上になっている。私はリピート買いが期待されるとして昨年初めごろにウォッチしていましたが、当時は円高基調にあり、爆買いも弱まると判断して手を出さなかった。今でも悔やまれます」

 だが、転んでもタダでは起きない。当時、インバウンドから切り替えた銘柄が大きく育ちつつあるという。

「円高気味だったため、内需関連株が来ると予想して、業務用厨房機器メーカーのマルゼン(東2・5982)に注目しました。厨房機器は導入後もメンテナンスでの安定収入が得られるだけでなく、自動調理に強みがある同社製品は、人手不足に悩む外食産業の『省力化』に貢献できる。実際、人気外食店でも導入され、株価は今年に入って2倍以上になっていますが、まだ上値を追えると見ています」

●ごはっちゅう/高配当な割安株に集中投資するのがスタイル。“誤発注”した経験から「御発注」というハンドルネームにした。ツイッター@erroneousOrder

※週刊ポスト2017年12月8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン