冷え性対策として、「靴下を履いて就寝する」人もいるだろう。しかしこれはかえって睡眠の質を低下させる原因となりかねない。
「深い睡眠を得るため、人体は手足から熱を放出し、体温を下げて代謝を低下させます。しかし靴下を履いていると放熱が妨げられ、自然と眠りが浅くなってしまう。このような『睡眠負債』の蓄積は、がんや認知症など様々な疾患リスクを高めることが分かっています」(同前)
また、冬の時期の健康習慣「乾布摩擦」も「健康に良いという医学的なエビデンスは全くない」(医師・ジャーナリストの森田豊氏)という。
「効果が認められないだけではなく、やり過ぎると皮膚の皮脂や角質をとってしまって老人性乾皮症を招く可能性がある。
また、冬の早朝のウオーキングも逆効果。起床後1~2時間は血圧が上がりやすく、医療関係者の間では脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まる“魔の時間”と呼ばれている。寒い中、そのタイミングで運動するのは高齢者にとって自殺行為です」(同前)
※週刊ポスト2017年12月8日号