感想を見ても「強引なときもあるが、西島秀俊と警官が友人という部分が伏線になりそうで楽しみ」(50 歳男性)、「新鮮味はないけど、西島さん演じる夫の本当の姿が気になる」(55歳女性)など、満足していない部分もあるが、“夫の秘密”という縦軸の物語が気になり次回も見たくなる=視聴率を維持する効果を生んでいるようだ。
「テレビウォッチャー」でも初回129 人だった視聴者数は第6話で最高の139人、第7話も130人と初回より増加している。また第7話では3.70と高満足度のラインに乗り、「西島さんがなんだか怪しい…1話ずつ問題は完結するが、登場人物たちの家庭の悩みや秘密はこれから。どんな秘密があるのかワクワク」(53歳女性)、「旦那さんは何かありそうな前提で見ているけれど、やっと出てきて、この先の展開が気になる」(39歳女性)など、第7話で夫がある嘘をついていたことがようやく判明したことでドラマ全体が動きだし、視聴者の満足度も取り戻した。
満足していないのに脱落せず観続けているということは、このドラマがいつか面白くなるに違いないと期待している証拠だ。ドラマはいよいよ最終回。前回の第9話では“夫の秘密”を暴こうとする妻、それを阻止する夫の攻防がこれまで以上にスリリングな展開で描かれ、視聴者の期待はさらに高まった。作品の良し悪しが決まるといっても過言ではない最終回で、その期待にどれだけこたえてくれるのか楽しみだ。(「テレビウォッチャー」主任研究員・大石庸平)
◆【大石庸平・おおいしようへい】
「テレビウォッチャー」主任研究員。データニュース社が行っているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー 」(http://tv-watcher.jp/)の“満足度”をもとに日々テレビ番組を研究している。放送局への番組レポート提供の他、データを使った番組評記事もウェブにて展開中。仕事に関係なくテレビが大好きで、特にドラマに詳しいドラマニア。内容はもちろん脚本・監督らのスタッフ情報、そして視聴率データにも精通している。
◆「テレビウォッチャー」満足度調査とは?
・対象局:地上波(NHK総合、NHK Eテレ、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)
・サンプル数:関東1都6県、男性1200+女性1200=計2400 ※回収数は毎日変動する
・サンプル年齢構成:「20~34歳」「35~49歳」「50~79歳」 各年代男女各400サンプル
・調査方法:毎日モニターにテレビ視聴に関するアンケートを同じアンケートモニターへ配信、データを回収するウェブ調査
・採点方法:最高点を「5」とし、「3.7」以上を高満足度に基準