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女性編集者が「専業主婦のあり方」を世に問おうと思ったワケ

専業主婦という生活スタイルに問題提起(橘玲氏『専業主婦は2億円損をする』)

 日本ではこれまで当たり前のものだった“専業主婦”という女性の生活スタイルに問題提起をする1冊の本が大きな話題となっている。それが作家・橘玲氏の『専業主婦は2億円損をする』(マガジンハウス)だ。同書の中では、専業主婦(ならびにその夫)が幸福になれない理由を、多くのデータに基づいて検証し、解説している。金銭的な面で言えば、専業主婦は生涯稼げるはずの「2億円」をドブに捨てている、とインパクトのある数字が提示されている。

 同書の発売以降、橘氏の見解に対して、ネットを中心に様々な意見・批判が寄せられている。「一部のよっぽどのエリートでなければ、女性が2億円も稼げるわけはない!」「共働きがそんなに偉いのか?」「子育てはおざなりにされてもいいのか?」「好きで専業主婦をやっているわけじゃない!」……。その一方で、「たしかに専業主婦は損をしている」と同意する書き込みも見られるなど、一種の論争の形にまで発展しようとしている。

 いま日本で専業主婦のあり方を問うことはタブーなのか。橘氏に執筆を依頼した同書の担当編集者、マガジンハウス書籍部の広瀬桂子さんに、なぜ今、この問題を1冊の本にまとめようと考えたのか、寄稿してもらった。

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 そもそも、本書を作ろうと思ったきっかけは、「若い女性の10人に3人は専業主婦志望」という、ある調査結果を見たことです。専業主婦になりたい人がいるのは不思議ではありませんが、いくらなんでも、この割合は多すぎはしないでしょうか。ひとりの女性(+子ども)を一生養える男性は、今どきそんなにいないのでは? という素朴な疑問がわきました。

 人ひとり生きていくのに、どれだけお金がかかるか?

 こういうことは、普通、あまり考えません。

 そもそも、高校でも大学でも「お金」のことは、まったく教えてくれません。知らないからこそ、夢が見られるともいえますが、明らかに夢破れそうな状況に、無防備に参戦するのは、いくらなんでも危険すぎます。

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