小泉今日子や早見優など“花の”と冠が付くほど隆盛を極めた1982年デビュー組のアイドルたち。その中のひとりである北原佐和子は、デビューから35年たった現在、女優業もしつつ、介護業界で働いているという。
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12年前から介護の現場で働き始め、2014年に介護福祉士、2016年にケアマネジャーの資格を取得しました。
現在は女優と介護、二足のわらじを履いています。ケアマネジャーとして働くため、昨年6月から研修を受けたり在宅医療の現場に同行したりしていました。そうした中で、医療の知識が必要だと痛感し、この1月には看護学校を受験する予定です。
1982年に18歳で歌手デビューしたことは、私にとってとても衝撃的な体験で、生きること自体が楽しくなりました。その後、女優へと転身しましたが、仕事がない時などに心にぽっかりと穴が空いてしまって。習い事もしてみましたが、空いた穴は埋まりませんでしたね。
30代半ばで不安や焦りが強くなりました。芸能界で生きていくにしてもそうでないにしても、先の人生がまったく想像できなくて。
それで人生について改めて考えた時に、アイドル時代に歌うことで多くの人に喜んでいただき、幸せを感じたことが甦ったんです。過去に出会った障がい者の方のことも思い出し、介護の仕事に挑戦してみようと決心しました。