「安倍政権から岸田政権へと禅譲が行なわれれば、菅さんは出番がなくなる。なんとしても岸田氏への禅譲の流れを止めたい菅さんは、先ほどの発言が岸田に届くように仕向けた。それを頭から信じ切って『禅譲されるから』と安心していた岸田氏が急にそわそわし始めたということです」
本誌『週刊ポスト』は前号で、麻生氏と菅氏が河野外相擁立で手を組む可能性を報じたが、岸田氏は、麻生氏からも“河野カード”で翻弄されている。
「河野の注目度アップで麻生派は自前の総裁候補を握った。ポスト安倍に岸田を推すか、それとも河野を立てるかは麻生さんの腹ひとつだ」(麻生派幹部)
これまでの岸田氏は派閥合併に消極的だったが、“河野カード”が切られ、安倍首相からの禅譲路線が難しくなったことにより、総裁を目指すには否応なく麻生氏の言いなりになるしかないという状況に追い込まれている。
一方で、野田氏が推薦枠を「150%」も集められるという自信を持っているのにも“裏”がある。実は、野田氏と菅氏は“密約”を交わしていたというのだ。安倍側近の話である。
「総理は総裁選で石破氏との一騎打ちになるのを嫌って“総裁選を盛り上げろ”と指示を出している。一騎打ちでも勝利は間違いないけれども、自分にことごとく逆らう石破さんと党員票で接戦にでもなればプライドに傷がつく。
そこで、総理の意向を忖度した菅さんは総裁選での“石破氏封じ込め”のために野田氏を裏で支援することを決めた。総裁選で反安倍票を分散させるために、“石破とは組まない”ことを条件に野田聖子に推薦人を貸し出すつもりだ。野田が『150%』と出馬に自信を見せているのも、官邸から兵が借りられると計算しているからだ」