不祥事が続く相撲界において、希望の星となっているのが、昭和の名横綱・大鵬を祖父に、史上初の幕尻優勝を成し遂げた元関脇・貴闘力を父に持つ、角界のサラブレッド・納谷(17才)だ。納谷は、現在も通う埼玉栄高校相撲部で活躍、2017年10月には愛媛国体で優勝するなど、輝かしい実績を上げた。
相撲に打ち込み、結果を残す。将来有望で、性格もよい。こうなると当然、スー女からの熱い視線が気になるところだ。同じ高校に通う女子生徒が言う。
「納谷くんはいつもニコニコして穏やかで優しくて、めっちゃいい子ですよ。何より真面目だから女子からも人気があります。みんなで、納谷くんが出演したテレビ番組を見たこともありました」
同級生たちは恋に夢中になる思春期の真っ只中だが、同校相撲部の山田道紀監督は、彼の恋人は、“相撲”と言いきる。
「うちの寮は、スマホと男女交際が禁止で、門限は夜の8時。厳しいようですが、みんな親元を離れて覚悟してきているので、このくらいは当然。男女交際をしたいのなら相撲をする必要はないし、スマホを持っていると悪さをするようになる。もしスマホを見つければ即刻クビ。寮から出て行ってもらいます。朝晩の食事とお弁当は、ぼくと妻が、部員に手伝ってもらい作ります。寮の食事が充実しているから、買い食いもほとんどしません。体育会というよりも、1つの家族のようなものです」(山田監督)
多感な時期に数多くの誘惑を断ち切って、相撲の道に邁進しているのだ。
祖父・大鵬は横綱時代を振り返って「人の何倍も稽古をしてきた。私くらい努力をした人間はいない。天才じゃないんです」と語っている。その言葉を、孫の納谷もまた体現するかのような不屈の努力である。
※女性セブン2018年2月8日号