失敗した瞬間は“終わった…もうけん玉をやめよう”って思って、控え室に戻ってからもずっと泣いてましたね。さすがに当日は打ち上げには参加できなかったです(苦笑)」
順番もいたずらした。10番までなら“やり直し”ができる決まりだったという。
「けん玉仲間がめちゃくちゃ優しくて、けん玉やめないでって励ましてくれたので持ち直しましたけど、元日に帰宅してから7日間は一切外に出られなかったです。やっぱり人の目を気にしちゃって」
当時のことを振り返るHIROさんに、怒涛の勢いで元気を与える佐藤くん。
「関西人からすると、あの失敗はめっちゃ“オイシイ”です(笑い)! ぼくも大舞台でやってもうた~っていう失敗、めちゃめちゃあります。でも、引きずったことはない。基本的に1分後には気持ちが切り替わってます。
中学時代、全国大会に出られるっていう県大会の決勝でフライングしたのを皮切りに、これまで4回フライングしてるんです。陸上選手でこんなにフライングする奴、まずいない(苦笑)。だからぼくからするとHIROさんの失敗は全然オイシイし、ていうか、そもそもめちゃくちゃイケメンなのが羨ましいです!」
会話の“風圧”だけで周囲を笑顔にさせる福男。
「周りから優しい言葉をかけてもらって、失敗してからはいいことしかないです(笑い)。佐藤くんから分けてもらった福は、けん玉がもっと上手になるよう使いたいですね」(HIROさん)
そうして日本一不運だった14番さんに笑顔が戻ったのを確認し、福男は颯爽と地元に帰っていった。
「さわやかな若者だったねぇ」
ホームで見送るオバが顔を紅潮させて、語る。
「佐藤くんのまっすぐさと、HIROくんの気負いのなさがすごくいい。2人の間に入ったら、とってもありがたい気持ちになってさ~」
撮影中、若い男をはべらせて、触りまくっていたように見えたが…。
「まさか(笑い)! 年末年始、それぞれ別方向に運が転がったけど、運がいい、運が悪いっていうのは、実は紙一重。それをどうするかは本人のお人柄しだい。私は2人からそれを教わったね」
2018年はまだ始まったばかり。いい年にしましょう!
撮影/菅井淳子
※女性セブン2018年2月8日号