国際情報

「北の核阻止に自衛隊も先制予防攻撃を準備せよ」と米専門家

空自F15戦闘機(上下2機)と共同訓練を行なった米爆撃機B1 時事通信フォト

 北朝鮮の核ミサイル完成を目前に、敵地攻撃能力の保有を今頃議論している日本はやはり平和ボケに過ぎるのだろう。結論は出ている。『戦争にチャンスを与えよ』(文春新書)の著者、エドワード・ルトワック氏は「先制予防攻撃」を訴える。 

 * * *
 時間はわずかとはいえ残されている。通常兵器による北の核兵器の予防的な破壊が、今ならまだ可能なのだ。北朝鮮は長距離弾道ミサイルに核弾頭を装備することに全力をあげているが、その能力はまずは日本、グアム、ハワイなどを攻撃できるようにすることを第一の目標としている。米本土攻撃の能力の確立はその後となろう。日本への脅威が大きいのだ。

  だからこそ、日本は北朝鮮への予防攻撃や抑止の軍事行動を考えることが必要だろう。通常兵器による北への攻撃は効果が大きいからだ。

 たとえばF15戦闘機による北朝鮮内の標的への攻撃能力を高めるべきだ。日本は約200機保有しているが、空対地ミサイルを搭載すれば、戦略爆撃機として使用できる。燃料タンクを増やせば航続距離も問題ない。まずはそれらの装備を至急揃えるべきだ。

 ただし北朝鮮の核の脅威を抑えるには日本が核武装すればよい、という意見に私は同意しない。

 第一に日本の核武装の発案は日本国内を激しく分裂させる。分裂した国が弱くなることは韓国の実例をみれば歴然としている。第二には、日本の核兵器は北朝鮮への抑止となりえないからだ。核抑止は最終的には核の使用の可能性がなければ、機能しない。だが核の被害者となった日本はそれを他国に対して実際に使うことは絶対にできないように思える。だから北朝鮮の脅威に対しては核ではなく非核の戦力の強化が好ましいのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン