◆老人ホームでも誕生日会
居心地の悪さは、ネットの世界に限った話ではない。企業文化に詳しい評論家の常見陽平氏はこう言う。
「企業の組織では中途採用が増えたこともあって、コミュニケーション強化のため、社員の誕生日を祝う職場が増えている。飲食店などもその需要を見込んで、誕生日割引などをアピールしています」
おっさんだろうが新入社員だろうが、会社で「お誕生日会」があるのだ。
家庭でも、子供の誕生日と同様に、パパやママ、ジィジやバァバの誕生日会まで開かれる。やめたいと思っても、だいたい妻が主導しているので、夫に口を挟む余地はない。
「妻の実家は親兄弟の誕生日会を毎年開く。それは向こうの家の慣わしだから諦めて参加するけど、私の誕生日まで祝うのは勘弁してもらいたい。自分が『めでたい』と思ってないのに、なぜ義父母にまで祝われなきゃいけないのか」(出版業、50歳男性)
今や老人ホームでも入居者全員参加の誕生日会が開かれる時代。生涯にわたり、誕生日から逃れられない。
※週刊ポスト2018年2月9日号