蜷川スタジオ時代はすごいメイクをしたり、かなりやんちゃな俳優だったとか。強面で陰のある役も多かったが、近年では「困った部下に対応する理解ある上司」といった役柄が増えた。TBS『アンナチュラル』では、遺族らの要望により、解剖を請け負う「不自然死究明研究所」所長役。いろいろとワケアリの解剖医(石原さとみ、井浦新ら)相手に口をへの字にしたり、にっこりしたりとここでも口角技が忙しい。
そして今月スタートのテレビ東京『パイプレイヤーズ もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら』では、なんと大杉蓮、遠藤憲一、田口トモロヲ、光石研ら共演者とともに無人島生活! 無人島といえば食糧確保をどうするのかは大問題。ひょっとして銛で魚を捕るパターン? 孤独じゃないけど、無人島グルメ? ちなみに今回は、テレビ東京架空の朝ドラ『しまっこさん』のロケがきっかけで無人島に漂着してしまう設定で、松重の役は島の学校の校長先生だ。
この設定、キャスト(寺島しのぶや役所広司も出演)で『パイプレイヤーズ』が面白くないわけがない。そして松重豊は自らの技をここ一番のところで披露して、ドラマを盛り上げることも間違いない。これができるのが松重の強み。目立たないけど松重豊ブームは続く。演技派俳優相手に磨きがかかる松重の口角技に注目したいところだ。