日本の少子化は顕著だ。昨年誕生した子供の数は「団塊」の三分の一強にすぎない。それは国難か? 著者は書く。
〈人口爆発による地球の生態学的環境の劣化、エネルギー、食糧、医療資源、教育資源、すべての不足によって起きる暴力的な争奪や紛争を回避するために人類が処方した「答え」が少子化なのです〉
そうか。少子化は「問題」ではなく「答え」なのか。ならば私たちはそれに従って、ローカルな集合体を「小商い」で維持して、成長なき「定常社会」をおだやかに生きるほかはない。
※週刊ポスト2018年2月16・23日号