テレビアニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal(クリスタル)』で主人公の中学生、月野うさぎを演じている三石琴乃さん(50才)。
この作品は、1992年から5年間放送されたアニメのリバイバルだ。声優は当時のメンバーから全員一新されたが、主人公を演じる三石さんだけは続投となった。
年齢とともに声が低くなるなか、声優といえども、高音で勢いのある少女役を長く続けるのは難しいという。そんな中、26年たっても変わらぬ“若い声”を出し続けられる三石さん。その秘訣は何か。
「声やのどだけ特別にケアする、というより、マスクをつけて過ごすなど、体調全体に気を使っています。風邪をひきそうになったら、すぐに病院で薬をもらいますし。
あとは3日に1回、体幹トレーニングをするくらい。これも始めたのは数年前。声にいいからというわけではなく、筋肉がある方が充実した50代を送れると思ったからです」
そんな三石さんも、やはり年齢とともに声が低くなったと実感しているという。
普段不便はないが、リバイバル作品で同じ役を再演する時は困惑したそう。それは23年前に放映されたテレビアニメ『新世紀ヱヴァンゲリオン』の新劇場版で29才の葛城ミサト役を演じた時だった。
「最初に葛城ミサト役を演じた時、私はまさに役柄と同年代でした。それから10年以上経ち、素直に演じると、監督から“あの時はもっと声が若くて、ピチピチしていた”と、ダメ出しをされて(笑い)。やっぱり違うんだな、と思いましたね」
◆高い声を“作る”より若い気持ちを思い出す
キャラの年齢は変わらなくても、演者は年を取る。それなのに、声は加工できない。
「ダメ出しをされ、まずは昔の自分のものまねをすることに。でも、どこまで再現できるかと、ある意味挑戦でしたね」
しかし、ネックになったのは、声の低さよりも、人生経験による深みが、声に出てしまうことだったという。