そもそも論になるが、最近の芸人は思想ばかり強くなり”笑わせる”という本分が弱くなっている。キングコングの西野は「そんな生き方、アリなの?」と考えさせる人が芸人だと説く。別に芸人が絵本、小説といった異分野に挑戦し、成功することに何も文句はない。ただ、そこでの成功にかまけて、笑いの純度が落ちていることが不服で。又吉、西野の言葉に感心することは多々ある。しかし、彼らの言葉で笑ったことは皆無だ。
とどのつまり、尊敬は集めるが笑わせてくれない人々。
芸人が語る芸人論が小賢しくなる一方で、本当に偉いのはサンドウィッチマンような芸人。難しいことは言わず、老若男女を笑わせる。
例えば、ハンバーガーショップのコント
伊達「ハンバーガーのセット」
富沢「ハンバーガーを1000個?」
伊達「業者か!」
もう字面だけで面白い!
僕は、西野が語る「傾奇者が芸人理論」よりも、数多くの笑いを生み出せる人こそ芸人だと考えている。芸人とクリエーターの差はなくなったに等しい。だが、笑いに特化したクリエーターこそ芸人だとも云える。純度の高い笑いを多く生み出せる人が”お笑い”芸人だ。
もちろん「多くの人の笑顔」「幸せな顔」といった曖昧な観点でなく爆笑である。
『これが無いなら来なかった』に出ている又吉は芸人じゃない。笑いが1つもないからだ。当番組からは、芸人×芥川賞作家である「又吉先生が言うことは金言」。そんな下駄を履いたマウンティングを感じた。自然の風景、ナチュラルな又吉と一見作りは優しいが、本質はとっても権威的である。