──なぜ次の市長なり副市長に預かり金を引き継ごうとしなかった?
「はい……? どういうことかわからんかったからな」
──市の裏金であるという認識はなかった?
「裏金って、何をもって裏金というんや?」
──副市長を辞めて民間人だったのに、なぜ公金を預かった?
「そりゃわしは、公金では無いと思うとるがな。誰が公金だと位置づけとんねん?」
──公金でないのに、公共の事業に使った?
「何をもって公金と認識するんや?」
──公金でないと認識していた? 誰かの私的なお金だと思っていた?
「わからんがな。後で聞いたら、収入役が代々預かっていた金だったと。その当時はわからへん。その当時分かっとれば俺も預かれへんで」
──なんの金かも分らないまま、何に使うか協議した。
「そら、わからんやん。こんな金があるからと。その時は、(副市長を退任しているから)中のこと、わからへんやん」
──世間的には裏金だとはいえますが。
「俺もいま言われて軽率だったなと。それは反省せんとな」
公金でもなく、裏金でもない。何の金かわからないが、公共の事業に使った。禅問答のような答えばかりだが、今後、徹底的な調査を通して真相が明らかになることを期待したい。
◆取材/福場ひとみ(ジャーナリスト)