時代の変化の中で日本語は変化していく。そんなことを理解しつつも気になってしまう若者たちの言葉遣いの数々。「今どきの若者は……」なんて言い出せば、嫌な顔をされるのは分かっている。けれど、声を上げて主張せずにはいられない。時代遅れと笑われても構わない──嫌なものは嫌だと声を上げた元参議院議員・筆坂秀世氏(70歳)の熱い主張を聞こう。
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朝日や産経をはじめ、新聞やテレビが森友学園問題と加計学園問題を合わせて「モリカケ」とカタカナにして報じている。俺はそもそも略語が嫌いで、ミスド(ミスタードーナツ)だってそういう名前の会社があるのかって思ってたくらいなんだから、モリカケなんて初めて聞いたときは何のことかわからなかったよ。
森友学園も加計学園も、国民の税金に関わる大きな問題です。それをモリカケって蕎麦屋みたいな名前にすると、問題が軽く見えてしまう。誰が言い出したのか知らないが、問題を矮小化させようとする意図すら勘ぐっちゃうね。
要するに政治も企業も、若者思考に乗っかりすぎなんだよ。新聞も週刊誌もね。略語には世の中を軽くする風潮がある。報道まで乗っかって略語を使っているようじゃ、軽佻浮薄(けいちょうふはく)の極み。そうしているうちに物事の本質がぼやけて、国民も“モリカケ問題ってなんだっけ”って忘れていくよ。
※週刊ポスト2018年3月23・30日号