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競馬の調教師が明かす調教がうまくいった時に唯一困ること

角居勝彦調教師が調教の極意を語る

 レースの予想をする際、調教VTRを参考にするファンも多い。仕掛けたらしっかり反応したかどうか、伸びはどうだったか──しかし見た目だけでは分からないこともある。調教師・角居勝彦氏の週刊ポストの人気連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、新聞の調教欄に隠されていることについてお届けする。

 * * *
 よい調教助手とは? 「リズム、タイミング、バランス、ハート」の4つの要素に秀でていると前回話しました。ざっくり言えば「センスがいい」ということです。

 馬のリズムに合わせ、的確なタイミングで加速減速をし、調教の全体像をバランスよく把握し、熱いハートで力の出せる状態に高めてやる。リズム変換とタイミングはよいのに、バランス感覚がもうひとつという助手もいる。4つともに優秀という域には、なかなか一朝一夕にはたどりつけません。

 新聞の調教欄には乗り手の表記がありますね。ジョッキーは名前が載りますが、調教助手の場合は「助手」です。助手の乗り方にも巧拙があるので、名前を明記してもいいのでは、などと思うこともあります。この助手はセンスがいいな、などとファンに認識してもらうのも一興です。

 さてこの調教欄、ジョッキーの調教タイムと助手のタイムを比較するのは、あまり意味がありません。斤量がまるで違う。助手はジョッキーよりも20キロくらい重い場合もありますから。

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