──理想の野球とは?
青野監督:例えば、打撃練習で誰から打つとか、そんなこと何も決めていません。いい意味で、きちんとしないのが東筑なんです。弱そうに見えるけど、試合をしたら強いとか。ちゃらんぽらんしているように見えるけど、試合になったら変わるみたいな。勉強していないふりして、成績良いとか、そういうところが大事だと思っています。
──いよいよセンバツですね。学校創立120周年の節目に甲子園は最高ですね。
青野監督:昨夏の甲子園、ベンチから満員のアルプス席が見えて応援も凄くて、こんな中で野球ができるのが凄く嬉しかったです。21年ぶりに甲子園に行ったのでラッキーと思って、このセンバツはプレッシャーを感じなくていいなと思っています。過去、東筑は甲子園で3回しか校歌を歌ってなくて、その内私は選手として2回、監督になって1回、つまり全部歌っているんです(笑)。
──最後にセンバツの抱負を聞かせてください。
青野監督:東筑の楽しくやる野球を見て欲しいです。武士道の世界の野球はもううんざりですね。慶應高校も「エンジョイベースボール」と言っていますし、スポーツは楽しまないというのが原点なんです。「日本一!」とか大それた事は言いませんが、一回校歌を歌えたら勢いに乗れるんじゃないかなと思うので、やっぱり初戦が大事です。
実は甲子園で勝って、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に行くのが夢なんです!ディズニーランドが筑波大学を卒業した後にオープンして行けなかったし、1996年と1998年の出場時はまだUSJが出来ていなかったし、昨夏は初戦敗退でまだ行けてないままです。センバツで勝ったらUSJに行けるのは私のモチベーションでもあり、生徒にとっても最高のモチベーションじゃないですかね(笑)。
【PROFILE】青野浩彦(あおの・ひろひこ)
1960年(昭35)6月29日生まれ。福岡県北九州市出身。高3夏に東筑の主将、捕手として甲子園に出場して2勝をあげた。筑波大学卒業後、保健体育科教諭として北九州高監督に就任。1994年4月に母校で副部長、監督として16年間指導。1996年夏、1998年センバツ出場。鞍手高を経て2016年から再び同校監督に就任し、昨夏から2季連続甲子園。東筑高の主なOBには仰木彬(元オリックス監督)や俳優の高倉健がいる。