その手段として内閣人事局は、霞が関に対する最強の暴力装置となった。官僚の能力を公平に見ない三流の政治家は人事権を濫用してお気に入りの官僚を出世させ、出世欲に取り付かれた官僚は政治家の一段下にへりくだって忖度に走る。
まさにそれが投影されたのが佐川宣寿・前国税庁長官、「佐川」という一官僚の栄光と転落の人生だったのではないか。
敗戦後から高度成長期まで財界人として日本の経済復興の基盤をつくり、オイルショック後のハイパーインフレを大幅賃上げの自粛という荒治療で沈静化させた桜田氏が今の政官の実情をみれば、「日本は政治は三流、官僚は四流だからもたない」と嘆くに違いない。
※週刊ポスト2018年4月6日号