今回の問題で、SAY企画は機構に無断で個人情報の入力作業を中国企業に再委託していたという不祥事も発覚した。

 いまのところ、「扶養親族等申告書のマイナンバー欄を削除したデータしか渡っておらず、個人情報入力は漢字氏名とフリガナだけで、再委託された中国企業からの二次流出はない」(年金機構広報室)と、機構側はマイナンバーの流出と二次被害は否定しているが、マイナンバーではなく、氏名ならばよいという問題ではない。

 日本年金機構に限らず、正職員の削減や業務効率化により、行政の個人情報の入力業務のアウトソーシングは、今後、さらに加速することが予想される。

「“行政だから安心”は、もはや神話となりました。これまでは、なんだかんだいっても公務員の事務作業の精度は高く、行政からの通知内容は正しいという前提に立って見ることができました。

 しかし、今後は、たとえ行政からの通知であってもチェックは必須。国民一人ひとりがチェックできるだけの知識を身に着けて、自己防衛する時代になったと考えるべきです。また、個人情報がどこで取り扱われているか、外部委託先情報までチェックする必要があります」(稲毛氏)

 行政機関ですらアテにならない時代。自分の年金は自分から取りに行く──くらいの身構えがなければ損する一方だ。

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