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Fラン大学に入った優秀な学生 「結果的に良いことずくめだった」

本人にやる気があれば、大学名など関係ない

 3月上旬、ネットで大いに話題になったのが、ある学生が“告発”した就職活動における学歴フィルターの実態だ。その学生は、就活サイトで説明会の予約をしようと思ったところ満席と表示されたため、大学名を変えたところ空席と表示されたとのこと。学生が、「Fラン大学の仲間のみんな~!強く生きていこうな~!」とツイートすると、「まだこんなことをしているのか」「しょうがない」と、賛否の声が渦巻き、大論争となった。

 Fラン大学とは「Fランク大学」のことで、様々な定義はあるようだが、一般的には偏差値の低い大学を総称する言葉として使われている。大学進学率が50%を超え、「本をまったく読まない大学生が50%以上」といったデータも登場するなど、大学生の質の低下はしばしば問題視されるが、いわゆるFラン大学にも極めて優秀な学生は存在する。県下有数の進学校でトップクラスの成績だったTさんは、なぜFラン大に進んだのか?

 Tさんが生まれ育ったのは、近畿地方の人口5万人ほどの小都市。全国的な知名度はまったくない地味な街に生まれたTさんは、公務員の父を持つ3人兄弟の家庭で育った。

 世が世であれば、Tさんは誰もが知るような一流大学に進める可能性を持っていた。幼い頃から読書好きだったTさんは、小学校の頃から大変成績が良く、小中学校ではほぼトップ。高校は学区トップの公立高校に進み、そこでも上位1割以内の成績を収めていた。その高校は、毎年東大や京大にも合格者を出す名門高校で、地元選出の国会議員もその高校の卒業生。しかしTさんに与えられた選択肢は、極めて狭かった。

「我が家は兄・私・弟という3人兄弟ですが、勉強が得意なのは私だけでした。経済的にもけっして余裕がある家ではなかったので、当初は両親も『大学に行かせるのはTだけ』と考えていたようです。ところが、運動が大変得意だった2歳上の兄が体育大学の推薦をもらい、一人暮らしをしながら大学に通うことになりました。その時点で親から、『もうひとり、一人暮らしをさせるのは無理』と言われました」

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