国内

援助交際歴10年の派遣社員の告白「私の何が悪いかわからない」

SNSとスマホの普及で個人営業が簡単になった

 1996年の流行語大賞にも入賞した「援助交際」とは、若い女性があらかじめ対価を決めて、男性とデートや食事、ホテルへ一緒に行くことを指す隠語だった。それから約20年が経ち、SNSの普及によって、その「援助交際」を副業のようにして暮らす女性も出現している。ライターの森鷹久氏が、社会人として地道に働く傍らで援助交際をやめられない女性の実態に迫った。

 * * *
 東京都東部に住む派遣社員のA子(二十代)は、勤務先の大手OA機器メーカーの営業所を17時ぴったりに出ると、電車で千葉県某市の繁華街まで移動し、カフェに入った。その十数分後には、カフェの前に30代前半と思われる男性が現れる。スマートフォンに目を落としていた男性が、カフェを出てきたA子の姿に気がついた。

「A子さんですか? 初めまして。とりあえず軽くメシでも行きますか」
「お腹減ってるんですー」
「何か食べたいものとかありますか?」

「初めまして」という挨拶を除けば、妙齢の男女が仕事後に落ち合い、 食事などを取って“デート”しているようにしか見えない光景。だが、食事後に二人はスムーズにとラブホテルにチェックインすると、A子は男性から現金三万円を受領した。デートの待ち合わせに見えたあの場面は、まさに「援助交際」が始まる瞬間だったのだ。

 A子は東京都下の女子高に通っていた10年ほど前、知人に誘われて初めて「援助交際」に手を染めた。当時はスマホもなければツイッターなどのSNSもなく、いわゆる「出会い系掲示板」にガラケーで書き込み、相手を募ったという。

 その後、大学に入って彼氏ができても、寂しかったり退屈だったりする時には“暇つぶし”に、また少々物入りの時には「援助交際」をすることによって生活してきた。社会人になってからも、職場で嫌なことがあったり疲れを感じると、同様に「援助交際」をすることでストレスを発散したと話す。A子にしてみれば、援助交際はなんら悪いことではなく、もはや生活の一部とすら言って良い「日常」だ。

「売春が悪い、っていうのはウソでしょ。違法なのは管理売春とか未成年の売春で、しかも未成年が売春したとしても悪いのは買った方。男にご飯やホテル代、服代をおごってもらってヤラせる、っていう普通の女もやってることと、どこが違うの?」(A子)

 開き直るA子の言うとおり、性交を前提に、男女間に金銭の授受が発生することそのものは違法にならない。女性が誰かに「管理」されていたり、未成年であったりすれば、それは違法になる。そしてA子にしてみれば、正式な交際関係にある男女間でもモノやカネのやりとりは普通であり、その延長線上に性行為があるという。どこに違いがあるのか、そう訴える。

 援助交際歴が10年を越えようとしているA子だが、危ない目に遭わなかったわけではない。ストーカーに追われ、知らない間に裸の映像を撮影されて、脅迫されたこともある。親にもバレて、家族仲が不安定になったこともあった。それでもやめなかったのは、一度、風俗店で働いた経験が影響をしていると説明する。

関連キーワード

関連記事

トピックス

学生時代の折田楓氏(左)。中央はフジテレビの小澤陽子アナ(フェイスブックより)
《“バーキン持ってキラキラ笑顔”をSNSに投稿》刑事告発されたPR会社・折田楓社長(33)、フジ人気アナとの華やかな交流
週刊ポスト
(時事通信フォト)
「妻を守るためなんじゃ…」韓国・尹大統領がいきなり戒厳令、背景に疑惑まみれの“美しすぎるファーストレディ”金建希夫人 かつてファンクラブ会員は9万人に
NEWSポストセブン
宮古島ではひげをたくわえ、ワイルドなスタイルの大野智(2024年10月)
大野智を巡る悪質なフェイクニュースにSTARTO社は法的措置を取ると宣言 本人は“気にしてない様子”、騒動が起きていたことも指摘されるまで気づかず
女性セブン
国内ミュージカル単独主演記録を樹立した堂本光一(撮影/浅野剛)
《思い残すことは何もない》堂本光一『Endless SHOCK』大千秋楽、清々しい笑顔で本音を吐露「究極体を演じるというのは、つらい25年でした」
女性セブン
地元で愛されるスーパーマーケットが被害に(左:『株式会社伊徳』公式Xより。右:時事通信フォト)
《秋田スーパー・クマ立てこもり》駆除へのクレーム電話が殺到するなかで店舗が“お詫び投稿“ 県内外から「謝らないで!」「きりたんぽ買いました」の声
NEWSポストセブン
自宅マンションの火災で家族を失った猪口邦子議員(時事通信フォト)
猪口邦子議員、自宅マンション火災で夫と長女が死亡 「政界はジャングルですが、家庭は温かい草原なんです…」幸せな日常を一瞬にして奪った猛火
女性セブン
“アメリカのお騒がせセレブ”として有名なタレントで実業家のキム・カーダシアン(本人のインスタグラムより)
《頭隠して尻隠さずなハイレグ姿》カニエ・ウェストの元妻(44)と現妻(29)が“ほぼ丸出しファッション”対決か
NEWSポストセブン
窮地に立たされている藤原紀香と夫の片岡愛之助
【SNSに「試練は人を強くする」と投稿】藤原紀香、夫・片岡愛之助が稽古中に重傷 窮地を支える“9年目の梨園の妻”の心強さ
女性セブン
11月に不倫が報じられ、役職停止となった国民民主党の玉木雄一郎代表、相手のタレントは小泉みゆき(左・時事通信フォト、右・ブログより)
《国民・玉木代表が役職停止処分》お相手の元グラドル・小泉みゆき「連絡は取れているんですが…」観光大使つとめる高松市が答えた“意外な現状”
NEWSポストセブン
アメリカの実業家主催のパーティーに参加された三笠宮瑶子さま。写っている写真が物議を醸している(時事通信フォト)
【米実業家が「インスタ投稿」を削除】三笠宮瑶子さまに海外メーカーのサングラス“アンバサダー就任”騒動 宮内庁は「御就任されているとは承知していない」
NEWSポストセブン
「ホワイトハウス表敬訪問」問題で悩まされる大谷翔平(写真/AFLO)
大谷翔平を悩ます、優勝チームの「ホワイトハウス表敬訪問」問題 トランプ氏と対面となれば辞退する同僚が続出か 外交問題に発展する最悪シナリオも
女性セブン
「週刊ポスト」本日発売! 江夏豊の遺言「ON、そしてすべての野球人たちへ」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 江夏豊の遺言「ON、そしてすべての野球人たちへ」ほか
NEWSポストセブン