国内

新聞投書で話題の“妊娠の順番”、TBSでは“女の連帯感”

赤江アナ復帰のタイミングで産休に入った吉田アナ(TBS HPより)

 2月28日の毎日新聞に名古屋市在住の28才男性から、〈私は妻と一緒に園長先生に頭を下げに行きました。「子どもができてすみません」〉という投書が掲載された。

 男性の妻が保育士を務める保育園では、結婚の時期と妊娠の順番を園長が決めているという。そして、夫婦はこの「掟」を破って予定外の妊娠をしたため、男性と妻は園長に謝罪したという内容だった。その後も、園長からの嫌味は続き、肩身がせまい思いをしているという。

〈子どもを育てる職業がこんな環境であるこの国は子育て後進国です〉

 そう綴った。この新聞投書が女性たちをザワつかせた理由は、「保育園問題」ばかりではない。

 大手金融会社に勤務する永井麻美さん(仮名・35才)は投稿した夫に首を傾げる。

「この旦那さんは奥さんのことを何もわかっていないのでは…。実際に私の会社でも暗黙の了解として妊娠の順番がありました。この奥さんは今後も同じ保育園で働かなければならないからこそ、波風が立たないように謝ったのだと思います。それなのに、事もあろうに新聞に投稿するなんて。私が奥さんの立場なら、『私が苦労して築き上げた人間関係が壊れたらどうしてくれるの!』と怒りをぶつけますね」

 女性の社会進出が進んだ現在、働く女性が社会で生き抜くために、「忖度」は必要不可欠だ…これが永井さんの発言の真意だ。事実、永井さんのように妊娠の順番に気を使う女性は今も決して少なくない。『ルポ保育崩壊』(岩波新書)著者でジャーナリストの小林美希さんが言う。

「職場に妊娠を報告する時、『この度は誠に申し訳ありません』と謝罪するのは保育士だけでなく、多かれ少なかれ、どの業界でもあります。なかでも多いのは看護職、介護職など、保育士と同じく需要が多いのに人手不足の職場です。とくに看護師の世界では妊娠すると“事故欠が出た”などと言われます。大手企業の総合職でも、“代わりとなる人材がいない”と妊娠が嫌がられる傾向があります」

 だからこそ“女性同士の人間関係作り”が重要となる。都内在住の会社員・関口由美さん(仮名・37才)が言う。

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