「お受験離婚という言葉があるように、子育てと受験勉強、そして夫婦円満をすべて両立させるのは無理です。どこかで絶対にぶつかります。『勉強させて塾に送り迎えもさせて食事も用意しているんだから、他の家事くらいやってよ』というのが母親たちの本音だと思いますが、残念ながら日本はまだ男社会。母親の生活は子供が生まれたら激変しますが、父親がその覚悟を持つのは難しい。
これはもう生き物としての差で、仕方のないことだと割り切りましょう。最近はやりの“イクメン”だって、夫が100%のイクメンになってくれるならそれはすばらしい。でも、日中仕事をして帰宅してから中途半端に子育てに参加してもらうのは難しい。だんなさんの仕事に支障が出たりしたら大変です」
とくに専業主婦の場合、育児と家事はほぼ全て母親が担い、夫はサポート役に徹する。この方がうまくいくというのが佐藤ママの持論だが、夫がするべき“重要事項”もあるという。それは、帰宅後、夕食の仕度の後に子供の勉強を見ている妻に「お茶」を出すこと。
「子供と母親がいい緊張感を持って勉強に向き合っている時に、そのリズムを夫が崩してしまう。一度切れた緊張感を取り戻すのは至難の業です。こういう時、夫は妻にそっとお茶を出すのがベスト。一家の主というプライドを、威張るのではなく“度量”で見せてほしいのです」
家事は手伝わなくていい。その代わりに、夫は『心の広さ』を見せてほしい──。出産前からそんな願いを訴えていた佐藤ママの家では、子供の勉強を見ていた時、夫はサッとお茶を出してくれたという。
「子供の幸せのために奮闘している私のことを、少しはわかってくれたのだと思います」
受験界のカリスマ主婦から届いた至言の数々、多くの母親の支えとなるはずだ。
※女性セブン2018年5月24日号