「ゲームのやりすぎによる“ゲーム障害”は、病気として、WHOに認められる可能性が高いんです」とは、ネット依存外来を開設する久里浜医療センターの院長・樋口進さんだ。同センターの患者には、スマホゲームに年間600万円以上課金した人もいるという。
「スマホゲームに依存する患者の脳は、前頭前野の機能が低下している可能性があります。そのため、理性が働かず、衝動が抑えきれなくなって、ゲームを自力ではやめらないんです。止められると、イライラして怒りっぽくなる人も。また、小さな刺激では満足できず、興奮を求めて、課金を繰り返すようになります」(樋口さん)
症状がひどくなると、学生の場合、学業が疎かになって成績や体力が落ち、生活が昼夜逆転して不登校や引きこもりに。社会人の場合は、収入以上のお金をつぎ込み、会社を辞める、離婚する、借金を抱えるなどのケースもある。
◆男性はゲームに、女性はSNSに依存
スマホのゲーム依存は、男性が陥るケースが多いというが、女性は女性で、別の危険性をはらんでいる。
「女性はLINEなどのSNSにハマる人が多いんです」とは、ITジャーナリストの高橋暁子さんだ。
「主婦は、ママ友同士などでLINEグループを作る人が多いんです。そこで発信したメッセージが読まれたかは“既読”マークがつくのでわかります。すぐに読まないと、無視されたなどと思われるため、マメにチェックできるよう、スマホばかり気にするようになるんです」(高橋さん)
SNSが気になるがゆえのスマホ依存は、ゲーム依存のように脳に障害をもたらすほどではないが、人によっては日常生活に支障をきたす。
※女性セブン2018年5月24日号