最近とくに目白押しのセクハラやわいせつ行為のニュース。絶対に許すわけにはいかない。一方で、被害者の弱い立場に配慮が必要だからといって、「彼女たちの言い分がすべて」というわけではない。某省庁トップには「胸さわらせて」という録音テープがあった。某アイドルグループメンバーは3度も事情聴取され、現場検証も実施された。要は、証拠や客観的事実こそ重要であることは、言うまでもない。
さて続いての舞台は、群馬県北部の名峰谷川岳の麓にあるみなかみ町。人口は1万9000人ほど。水上温泉郷の名湯には観光客が絶えない。
「昨年10月に初当選した前田善成町長(50才)が4月中旬、町の関連団体Bの女性職員Aさんにキス。Aさんが警察に相談して騒動になった。町議会は5月10日、辞職勧告を全会一致で決めました」
と話すのは町役場関係者。まるでデジャヴのように列島各地で同じ話か―と思いきや、ちょっと様相が違うという。まずは、報道をチェックしよう。
《町や団体の関係者によると、前田氏は(中略)トイレから出たところで居合わせた女性に無理やり抱き付き、キスをしたとされる》(5月3日付毎日新聞)
続いては、前田町長のブログ(10日)を読んでみる。
《私がトイレに立ったところ、相手の女性が追いかけるように席を立った。トイレに向かう廊下で追いつかれ、女性が腕を絡ませ、手を握ってきた。肩にしなだれかかるような形になり、目と目が合った。お互い、顔を近づけ、唇が触れ合った。その後、手をつないだままトイレに向かった》
見比べると、その夜の“犯行現場”の説明が、まったく食い違っている。たしかにキスはした。でも、トイレの前か後かで違うし、新聞の《抱き付き》とブログの《手をつないだまま》では、全然ニュアンスが違う。そして町長はこうも述べるのだ。
《報道にあるように、抱きついたり、私から無理やり何かをしたということは断じてありません。》
つまり、どちらかが嘘をついている。さらに町長のブログによれば、その翌日、2人はフェイスブック上でメッセージをやり取りしている。
町長《昨日は、ありがとうございました》
Aさん《こちらこそありがとうございました》《前田町長、昨晩のこと覚えていますか??》
町長《申し訳ない》
Aさん《どうして謝るんですか…?》