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不況になると増えるクイズ番組、洗練化やハイブリッド化の流れ

不況になると増えるというクイズ番組(写真/アフロ)

『Qさま!!』(テレビ朝日系)、『東大王』(TBS系)、『ネプリーグ』(フジテレビ系)、『今夜はナゾトレ』(フジテレビ系)など、今テレビをつければクイズ番組が花盛り。なぜ、ここまで花盛りなのか。お笑い評論家のラリー遠田氏が解説する。

「長時間見ないとおもしろさが伝わらないコント番組などは、少しスマホをいじっている間についていけなくなってしまう。一方でクイズ番組は出題から答えに至るまで1分もかからず、スピーディーな展開な上に、そのスリルがたまらない。スマホを片手に視聴するのが当たり前になった今、クイズ番組は視聴者のニーズに合致するんです」

 クイズ番組隆盛の背景には、テレビ局が直面している“逆風”が関係している。

「テレビ業界では、『クイズ番組が元気なときはテレビが不況のとき』が合言葉。どの局も収入減に伴う予算縮小が叫ばれる今、制作費が安くてスポンサー受けのいいクイズ番組が制作サイドにも好まれるんです」(テレビ局関係者)

 現代のクイズ番組が計らずもテレビ局の逆風を象徴しているように、クイズ番組は時代、時代の映し鏡だった。1999年に『マジカル頭脳パワー!!』が終了すると、クイズ番組の勢いは一気に衰退する。人気番組『東大王』に出演する東大生・伊沢拓司(24才)が語る。

「世代ごとの価値観があまりにも多様化して、クイズで問われる“常識問題”のラインがはかれなくなってしまった。お母さんにとっては常識でも、子供にとっては全然知らないことがあったりと、全ての視聴者が楽しめる問題を出すことが難しくなり、クイズ番組が減っていったのではないのだろうか」(伊沢)

 冬の時代に新風を吹き込んだのが、島田紳助司会の『クイズ!ヘキサゴンII』(フジテレビ系・2005~2011年)だ。テレビ解説者の木村隆志氏が言う。

「『ヘキサゴン』の斬新さは、ひな壇型バラエティー番組のフォーマットにクイズを融合させたこと。芸人だけでなく、美女やイケメンをずらりと並べて珍解答をいじるバラエティー要素を前面に押し出したことで、正統派クイズ番組に食傷気味だった視聴者が戻ってきた」(木村氏)

 つるの剛士・野久保直樹・上地雄輔のユニット『羞恥心』など番組出演者がCDデビューしたことも話題になった。

 その1つ、『サーターアンダギー』としてデビューした森公平(30才)が当時を振り返る。

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