スポーツ

門田博光、鈴木啓示、米田哲也が語り合う昭和のパ・リーグ

通算350勝の米田哲也氏

「人気のセ、実力のパ」といわれた時代があった。球場は閑古鳥が鳴き、テレビ中継はない。そんなパ・リーグでは、数々の伝説が生まれた。阪急でエースだった米田哲也氏、近鉄で活躍した鈴木啓示氏、そして南海で活躍した門田博光氏の“関西私鉄3球団”レジェンドたちが、当時について語り合った。

米田:今の選手は羨ましいよ。昔の球団は全然カネを出さなかった。契約更改で阪急は「前例がない」と逃げる。「前例は破るもんや」といつも大喧嘩だった。

鈴木:僕の入団当時は西鉄と南海の全盛期で、関西3球団では給料は南海が一番よかったんじゃないかな。大阪球場に行くと野村(克也)さんはじめ主力はみんな外車。近鉄はせいぜいトヨタのコロナマークIIでした。

門田:そんなことないですよ。僕はアキレス腱を切った時に球場に担架すらなくて、戸板に乗せられて運ばれたんだから。あれは高知キャンプでの出来事でしたが、あんな環境でキャンプをしていた球団がカネを持っているとは到底思えない。

米田:オールスターのたびに、セ・リーグの選手にナンボもらっているか聞いたな(苦笑)。

門田:セとの格差は歴然。パはテレビ中継もないし、新聞に載るのも試合結果だけ。オールスター戦はみんなハッスルしていたね。テレビに映るから。

米田:話題作りに必死やったよね。福本(豊)と馬を競走させるイベントまでやるんだから。

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