「一点の曇りもない」とは、八田達夫・国家戦略特区WG座長の発言だが、それが“総意”だとしても“みなさんが断言”まで表現を強めるのは、不安の裏返しなのだろうか。加計氏についてはこうも語っている。
「彼が私の地位や立場を利用して、なにかを成し遂げようとしたことは『ただの一度も』ない。獣医学部新設について働きかけや依頼は『全く』なかったことをまず『明確に』申し上げたい」(2017年7月24日、衆院予算委員会)
首相の言葉は、いつも100%正しいか、ゼロかで解釈の余地がない。この発言を撤回するとなれば、「間違いなく」総理大臣も国会議員も辞めなければならなくなる。
撤回できないから、首相や加計氏とゴルフやバーベキューを楽しんだ柳瀬唯夫・元首相秘書官は、首相発言直後の国会で「記憶にない」を7回も繰り返し、その後も1年近くにわたって加計学園側との面会の“記憶”を失ったふりをしなければならなかった。
行政を巻き込んで役人に二重三重のウソを重ねさせることこそ、安倍語録の最も危険な部分といっていい。
※週刊ポスト2018年6月1日号