〈西城秀樹のアイドル全盛期に少し未来を見据えたスタッフが周辺にいて、「ヒデキを少年から青年にして下さい」といって連れて来たのである。かつてはそのように、付き人的存在を越えたマネージャーがいたのである〉

 マネージャーはこれからの歌手・西城秀樹をどう展開していくべきか考え抜き、多忙を極める阿久さんの首を縦に振らせた。

〈いい歌とか、売れる歌をという依頼ではなく、少年から青年という頼み方に動かされて承知したものである〉(前掲書)

 1976年、阿久さんと三木さんのコンビは『君よ抱かれて熱くなれ』でエロチシズム、『ジャガー』で情熱、『若き獅子たち』で志を表現。西城さんを少年から青年に育てあげた。

 2年後の1978年、「西城がいくつになっても歌える歌を書く」と決意した阿久さんは、西城さんを自分の別荘に泊まり込ませ、寝食を共にすることでどんな詞を書くべきか熟考し、『ブルースカイブルー』をプレゼントした。西城さんは、のちにこう話している。

〈出来上がった詞は大人っぽくて、馬飼野康二さんの曲はスケールが大きく、それまでの歌とは趣が違っていた。阿久さんに聞くと「こういう男になってほしい」という願いを込めたと言われた。アイドルを脱皮する転換の歌になったと思う〉(2006年11月11日 毎日新聞)

関連キーワード

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン