◆経験が実になる医師、ならない医師
「内科医は若いほうがいい」「外科医は年寄りがいい」とする研究結果は、世間の一般的な見方とは逆に映るかもしれない。
「内科医は、さまざまな症例を診てきた、経験豊富なベテラン医師がいい」
「外科医は、長時間の手術にも難なく耐えられるような体力のある若い医者がいい」
そう考えている人が多いのではないだろうか。その疑問を論文の著者、津川氏にぶつけた。
「医療の進歩は早く、内科医は高齢になると最新の医学知識をアップデートしていくことが困難であると考えられます。大学を出てすぐの若い医師は習った内容が最新のため、より新しいエビデンスに沿った診療をしていると考えられます」
内科医は、研修から時間が経つと、最新のエビデンスに基づいた診療ガイドラインや最新の治療方法を知る機会が減る。代わりに自身の経験に基づいた治療法に頼る頻度が高くなる傾向があると考えられるのだ。