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2018.05.29 20:00  マネーポストWEB

米朝首脳会談、米国の自動車輸入制限がドル円相場に与える影響

中間選挙に是が非でも勝利したいと考えているのは間違いない(Getty Images)


 5月24日(木)に、トランプ大統領から「米朝首脳会談の中止」が発表された。そして同日、トランプ大統領は「自動車・自動車部品に関する輸入制限」を検討する旨を発表した。この2つのニュースで、ドル/円為替は大きく急落した。前日(5月23日)のドル/円は110.00を挟んだ水準にあったが、24日には、一時、108円台(109.00割れ)を付けている。

 トランプ大統領が米朝首脳会談の中止を発表すると、北朝鮮は急に態度を軟化させた。それまで拒んでいた南北会談を急遽設けるなどし、米国にすり寄る様子を見せている。そして週末には、トランプ大統領があらためて、6月12日に米朝首脳会談が開催される可能性があることを発表した。北朝鮮から韓国に、米国との再交渉を依頼したのだろう、と推測できる。

 当然ながら、米朝首脳会談があらためて開催される可能性が出てきたことは、良いことだと考える。ただし一喜一憂せずに、米朝首脳会談が実際に開催されるのを待ち、発表される内容をもって、成果があるのか無いのか判断するべきだろう。

 北朝鮮の非核化は基本的に「ドル買いの材料」と考えるが、まだどうなるのか決まった訳でもない。

 6月12日までまだ日があるので、「北朝鮮問題」に関しては今後発表されるニュースに注意を払うしか対応の仕様がない。事前にその結果を予想して行動するのではなく、出てきた事実をもって判断するべきだ。

 繰り返しになるが、あらためて開催が発表されたのだから、現時点で米朝首脳会談が6月12日に開催される可能性は非常に高いだろう。しかし、その会談で成果があるのか無いのか、特に具体的に効果がある内容が採択されるのか、事前に判断することは難しいのが現状だ。

◆どちらも重要な中間選挙対策

 もう一つの重大なニュースである「自動車・自動車部品に関する輸入制限」に関しては、「ドル売り円買いの材料」と考える。

「自動車・自動車部品」に関しては、現時点では検討を行っている段階だが、今後実施する可能性は高い、と判断している。

 それは、トランプ大統領の行動パターンからの判断だ。トランプ大統領は、その政策の良し悪しは別にして、公言したことのほとんどを実行している。そのことを踏まえると、「自動車・自動車部品に関する輸入制限」はタイミングを計って実施される、と考えるのが妥当だ。

 トランプ大統領にとっては、「米朝首脳会談」も「自動車・自動車部品に関する輸入制限」も、それぞれが重要な中間選挙対策であろう。トランプ大統領が中間選挙を是が非にも勝ちたいと考えていることは、その言動から明らかだ。だから、トランプ大統領が「米朝首脳会談」での成果を得るために、強い姿勢で臨むことは想像がつく。

 また、「自動車・自動車部品に関する輸入制限」に関しては、世界各国から反対の声が上がっているが、中間選挙に向けて実施するタイミングを計っているところ、と推測している。

(2018年5月29日東京時間17:30記述)

◆松田哲(まつだ・さとし):三菱信託銀行、フランス・パリバ銀行、クレディ・スイス銀行などを経て、オーストラリア・コモンウェルス銀行のチーフ・ディーラーとして活躍。現在は松田トラスト&インベストメント代表取締役として外国為替や投資全般のコンサルティング業務を行っている。HPは「松田哲のFXディーラー物語」(http://matsudasatoshi.com/)。メールマガジン「松田哲の独断と偏見の為替相場」も発信中。

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