国内

初の女性宰相は? 古谷経衡が野田聖子を激推しする理由

ポスト安倍となれるか(撮影/太田真三)

 財務事務次官のセクハラ騒動、そして、その対応を巡って失言を繰り返す政治家たち。霞が関や永田町の「女性蔑視」姿勢が露わになった。「日本中枢のエリートたちの“男性優位”思考を改めるのは一筋縄ではいかない。女性首相が誕生するぐらい抜本的な変革が必要」と文筆家・古谷経衡氏は指摘する。なかでも古谷氏が期待をかけるのが野田聖子総務大臣である。

 * * *
 野田聖子の不妊治療を巡る体験は、壮絶である。事実婚の夫・鶴保庸介(当時)と共に不妊治療を受け続け、体外受精に及ぶこと14回。失敗につぐ失敗でようやく実った奇跡であった。が、ようやく授かった子は、不幸にも切迫流産してしまう。

 普通ならここで挫折の道が待っていると思うが、野田はあきらめない。野田は、鶴保庸介と2007年に離別し、2011年に一般男性と結婚したことに前後して、体外受精で出産に成功した。このとき野田は50歳。卵子は米国人女性のものを着床させ、精子のみ野田の結婚相手のものだった。

 つまり野田は、自身の卵子での出産を断念せざるを得ないにもかかわらず、出産を希望したのである。にしてもこの年齢は「高齢出産」という域を超えた未知の領域に思える。

 議員活動をしながら、これだけの「試練」に立ち向かう野田聖子というひとりの人間に、私は驚嘆と感動を覚えた。こんなことは、並大抵の意思でできることではない。「きょうからダイエットを始めよう」とか、そんな生半可で、中途半端で、どうでもよい決意と野田のそれとは比べるべくもない。

 そしてこの間、野田は郵政民営化に反対して自民党を離党。地盤の岐阜1区にて無所属で立候補するも、小泉から刺客を送られて徹底的に望まない抗戦を強いられるのである。しかしそのたびに、野田は敗北することなく勝利をつかみ取ってきた。最終的に野田は自民党に復党する。

 だが野田は従順ではない。2015年9月の自民党総裁選では総裁選立候補を表明するも、推薦人20名を集められず断念。安倍は無投票で総裁に選出された。だが、野田の野心は小池百合子のように自民党の外で継続されるのではなく、自民党の中からまるで自民党という殻を食い破って産まれ出る何かのように、その野心をたぎらせている。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
水原一平容疑者の半生を振り返る(C)BACKGRID,Inc/AFLO
《現地レポート》水原一平容疑者「中学時代は帰宅部」同級生が口を揃える“影の薄さ”「騒いでるのをそばで見ているタイプ」「高校の同窓会には不参加」
週刊ポスト
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン