毛利氏も例に漏れない。名前からわかる通り、戦国武将・毛利元就の直系20代目の子孫で、長州藩士を先祖に持つ安倍首相には“旧主筋”にあたる。安倍首相の5月下旬のロシア訪問にも随行、政権が力を入れる北方領土交渉を担ってきた。元レバノン大使の天木直人氏が語る。
「外務官僚は海外勤務が長く、外交官特権を持つだけに他の役所より特権意識が強く、スキャンダルになりやすい体質はあるでしょう。ただ、重要な日露交渉を担当してきたロシア課長が、単なるセクハラや不倫でこれほど迅速に重い処分をされるとは思えない。外交にまで影響するような不祥事に発展している問題があるのではないか」
過去には東欧の駐在大使が現地採用の女性職員に執拗なセクハラを繰り返し、あやうく国際問題になりかけたこともある。膿を出しきらない限り、このセクハラ官庁の体質は変わらないだろう。
※週刊ポスト2018年6月22日号