「若い世代を受け入れる間口を持っているかどうか。この映画のテーマのひとつだと思います。年齢を重ねると頑固になって、新しいものを受け入れなくなり、受け入れないことが美学だと思っている人も少なくない。そうではなく、若い人をみて自分が若い頃にできたかなと思うようにしてみる。そういう間口を持っていないと高齢化社会で孤立していく……。そんなメッセージを受け取っていただければ嬉しいですね。これまでどう生きてきたか、そしてこの先どう生きていくか。葬儀社の営業部長という役を通じて、僕もそういうことを再認識させられました」
この作品で滝川広志という新しい部分を見つけてもらったというコロッケ。最後は、十八番である岩崎宏美の顔真似で見送ってくれた。
●ころっけ/1960年、熊本県出身。本名・滝川広志。1980年8月、『お笑いスター誕生!!』(日本テレビ系)でデビュー。その後、TVのものまね番組などで活躍。ものまねレパートリーは300種類以上となり、ロボットバージョンやヒップホップダンスとの融合、落語にものまねを取り入れるなど、数々の芸で人気となる。永年にわたりものまねタレントとして芸術文化の振興に貢献したとして、2014年に文化庁長官表彰、2016年に日本芸能大賞を受賞。
*コロッケが本名・滝川広志として初主演をつとめた『ゆずりは』は6月16日(土)より新宿K’s cinema、イオンシネマ板橋ほか全国順次ロードショー 配給:エレファントハウス/アジアピクチャーズエンタテインメント。
■撮影/三浦雄司、取材・文/鵜飼克郎
※週刊ポスト2018年6月22日号