中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

ネット発の不買運動が花盛り、ありとあらゆる企業がその標的に

かつてフジテレビへの抗議としてスポンサーへの不買運動が呼びかけられたことも

 ネットでは自分の意に沿わぬ発言や表現をした企業やアーティスト等に対し、抗議の意味で不買運動が呼びかけられることがある。最近では、バンド・RADWIMPSだ。新曲『HINOMARU』の歌詞に「日出づる国の御名のもとに」などの言葉が入り「軍歌っぽい」などとし、戦争肯定と捉える人も登場し、その対象となったのだ。ネット発の不買運動の歴史についてネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、過去の例を挙げて振り返る。

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 今回のRADWIMPSの件はライブ会場前での抗議まで呼びかけられることになりましたが、これを受けて様々な過去の例を思い出しました。まず2011年、韓国嫌いな方々がフジテレビに対してこんなシュプレヒコールを挙げたケースです。

「我々はK-POPなんて聞きたくない!」
「フジテレビは日の丸・君が代をカットするな!」
「フジテレビは放送法の違反をするな!」
「フジテレビは電波免許を返上しろ!」
「我々はフジテレビスポンサーの不買運動を継続するぞ!」

 また、同年12月31日、KARA、東方神起、少女時代の3組がNHK紅白歌合戦に出場したため、抗議すべく紅白の会場前で抗議デモを行ったことも思い出しました。

 何かに抗議するのは別に構わないのですが、どうも批判の根拠に納得感がないんですよ。フジテレビ以外の局だって当時は韓流ドラマを流し、K-POPアイドルを出演させていたわけですし、過去にチョー・ヨンピルや桂銀淑だって紅白にも出ていた。韓国人が紅白に出るのが問題なのだとすれば、なんで2011年、アメリカ人のレディ・ガガが中継でゲスト出演していたことは問題視しないのか。台湾出身の欧陽菲菲だってテレサ・テンだって出ています。なぜ韓国はダメでアメリカと台湾はOKなのか? 整合性がつかないんですよ。「レディ・ガガは親日家だからOK」みたいな反論もありましたが、当時のKARA、東方神起、少女時代だって十分に親日的だったでしょうよ。

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