• TOP
  • コラム
  • ネット発の不買運動が花盛り、ありとあらゆる企業がその標的に

コラム

2018.06.16 16:00  マネーポストWEB

ネット発の不買運動が花盛り、ありとあらゆる企業がその標的に

かつてフジテレビへの抗議としてスポンサーへの不買運動が呼びかけられたことも


 ネットでは自分の意に沿わぬ発言や表現をした企業やアーティスト等に対し、抗議の意味で不買運動が呼びかけられることがある。最近では、バンド・RADWIMPSだ。新曲『HINOMARU』の歌詞に「日出づる国の御名のもとに」などの言葉が入り「軍歌っぽい」などとし、戦争肯定と捉える人も登場し、その対象となったのだ。ネット発の不買運動の歴史についてネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、過去の例を挙げて振り返る。

 * * *
 今回のRADWIMPSの件はライブ会場前での抗議まで呼びかけられることになりましたが、これを受けて様々な過去の例を思い出しました。まず2011年、韓国嫌いな方々がフジテレビに対してこんなシュプレヒコールを挙げたケースです。

「我々はK-POPなんて聞きたくない!」
「フジテレビは日の丸・君が代をカットするな!」
「フジテレビは放送法の違反をするな!」
「フジテレビは電波免許を返上しろ!」
「我々はフジテレビスポンサーの不買運動を継続するぞ!」

 また、同年12月31日、KARA、東方神起、少女時代の3組がNHK紅白歌合戦に出場したため、抗議すべく紅白の会場前で抗議デモを行ったことも思い出しました。

 何かに抗議するのは別に構わないのですが、どうも批判の根拠に納得感がないんですよ。フジテレビ以外の局だって当時は韓流ドラマを流し、K-POPアイドルを出演させていたわけですし、過去にチョー・ヨンピルや桂銀淑だって紅白にも出ていた。韓国人が紅白に出るのが問題なのだとすれば、なんで2011年、アメリカ人のレディ・ガガが中継でゲスト出演していたことは問題視しないのか。台湾出身の欧陽菲菲だってテレサ・テンだって出ています。なぜ韓国はダメでアメリカと台湾はOKなのか? 整合性がつかないんですよ。「レディ・ガガは親日家だからOK」みたいな反論もありましたが、当時のKARA、東方神起、少女時代だって十分に親日的だったでしょうよ。

 あの頃の不買運動の対象といえば、以下のような企業が挙げられます。

・ロート製薬:“反日女優”キム・テヒをCMに起用したから
・サントリー:韓国焼酎「鏡月」のウェブサイトに「東海(日本海)」と記述したから
・亀田製菓:韓国食品メーカー「農心」と提携したから
・花王:“反日テレビ局”フジテレビの大スポンサーだから
・各種鉄道・バス会社:ハングルで行き先を表記したから

◆不買運動ハッシュタグも活発化

 この頃は嫌韓ムーブメントが拡大している時期でしたが、フジテレビのドラマ『それでも、生きてゆく』の2011年9月8日の放送では、小道具の雑誌の表紙に「JAP18」と書かれてあったことから「反日ドラマ」認定。同ドラマのスポンサーに対する不買運動がネットで呼びかけられました。その翌週、梅酒で知られるチョーヤはCMを流しませんでした。すると、同社を称賛する意見が多数書き込まれたのです。不買運動とは逆の「チョーヤの梅酒を買いに行くぞ!」みたいな書き込みもありました。しかし、真相はガジェット通信の取材によると以下の通りです。

「実を言いますと、あのドラマのCMに関してはレギュラーで出しているのではなく、不規則・不定期にCMを流す形になっていまして、9月は結果として1日、8日の2回放送で15日以降の放送予定がなくなったのです」

 チョーヤを都合よく「オレ達の味方」認定したものの、実際は偶然CMが流れなかった。そもそも日本企業に対して不買運動して何になるのでしょうか。同社で働く日本人をイヤ~な気持ちにさせ、対策会議等で余計な時間を使わせる結果となります。デモ自体はたいした影響はなかったものの、たとえば花王のデモの場合、デモ後に株価が下がったことから「効果があったぞ!」とその成果を誇る。最近でもサントリー「プレミアムモルツ」のCMに、“反日女優”認定した水原希子が登場したことから不買運動を宣言する人もいました。

 その逆のベクトルで「レイシスト支援企業」認定を受け、不買運動を起こされたのはAPAホテル、DHC、ゴーゴーカレーでした。

 一方最近では、セクハラや不謹慎認定された企業への不買運動呼びかけや「もう買わない宣言」も登場しています。資生堂「インテグレート」、キリンビバレッジ「午後の紅茶」、鹿児島県志布志市「ふるさと納税」、サントリー「頂」ウェブ動画、牛乳石鹸、AGF「ブレンディ」など。

 また、ツイッターのハッシュタグで「#○○(企業名)不買運動」と書かれているものを挙げると以下の企業が登場します。

#文春不買運動 #小学館不買運動 #ローソン不買運動 #東急不動産不買運動 #zozotown不買運動 #ジャンプ不買運動 #セガ不買運動 #kadokawa不買運動 #サントリー不買運動 #スタバ不買運動 #アディダス不買運動 #文藝春秋不買運動 #読売不買運動 #nhk不買運動 #シャープ不買運動 #DeNA不買運動 #ニトリ不買運動 #ロッテ不買運動 #日立不買運動 #金鳥不買運動……。

 その他、気に食わない報道をしたテレビ番組のスポンサーをこらしめるべく、「#ひるおびスポンサー不買運動」などとまとめて不買を呼びかける人も出ています。もう、ありとあらゆる企業がその対象となっており、他人に厳しい人が本当に多い世の中ですね。

関連記事

トピックス