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2018.06.19 11:00  マネーポストWEB

2018年「夏のボーナス」上位企業を分析 自動車快進撃のワケは?

3位のトヨタ自動車を筆頭に自動車業界はボーナスも好調(EPA=時事)


 今年も夏のボーナスの季節がやってくる。先頃発表された毎年恒例の日経新聞「夏のボーナスランキング」では、上位企業の顔ぶれが昨年からがらりと入れ替わっていた。そこから何が読み取れるのだろうか。

 同ランキングの今年のトップはソニー。昨年の9位から躍進し、金額も30万円以上アップしている。2014年3月期決算では1283億円の赤字を計上し、一時期は倒産の危機さえ囁かれたが、V字回復を達成した形だ。企業業績に詳しい東京商工リサーチ情報部課長の坂田芳博さんの話。

「ソニーはこのところ、音楽や半導体分野が伸び、業績は好調。優秀な人材を確保するため“人への投資”を惜しまない方針で、それが賞与額に上乗せされたのでしょう」

 次いで2位はスター精密、3位はトヨタ自動車と続いている。スター精密は、静岡市に本社を置く部品工作機械メーカー。賞与額は前年比約50万円も増加している。

「スター精密は、工作機械販売が過去最高を記録し、大幅な増益となりました。トヨタ自動車も海外での販売が好調で、今年の世界販売台数は最高を更新する見込み。こうした要因を反映して、賞与額が押し上げられたとみられます」(坂田さん)

 ランキングを見渡すと、自動車のほか、素材や機械関連の会社が多くランクインしている。

「昨年はマンションの再開発需要などを背景に、建設や不動産などの企業が上位を占めていました。しかし、今年はその需要も落ち着き、販売も伸び悩んだため、昨年好調だった企業が軒並みランキング圏外に押しやられました」(坂田さん)

 そんな中、今年好調なのがトヨタを筆頭にした自動車関連企業だ。

「主な収益を海外市場に頼る自動車業界は、円安を追い風に業績を伸ばしました。自動車業界はすそ野が広く、自動車製造に伴って、素材や精密機械業界も連動して儲かる傾向にある。今年のランキングは、それが顕著に表れたといえるでしょう」(坂田さん)

 大手ゼネコンで働く夫を持つ主婦A子さん(51才)が話す。

「昨年はボーナス額が大きかっただけに今年の減額はこたえます。住宅ローンのボーナス返済もままならず、パートのシフトを増やしました」

 不動産会社勤務の夫を持つB子さん(39才)も浮かない顔だ。

「ウチも夏のボーナスは減額。仕方なく生命保険を見直して、月掛け金を半分にしました」

 一方、今年11位だったダイキン工業に勤務する夫を持つC子さん(44才)はこう話す。

「ボーナスは、それほど大きな増額でもありませんでした。でもこのご時世、ボーナスをいただけるだけで有難いこと。昨年より少し多めにいただいたお金は、娘と2人でビュッフェにでも行って、ちょっと贅沢させてもらおうと思います」

◆金融業界はもう盛り返せない?

 来年はどうなるのだろうか。

「多くの企業が業績連動型賞与を導入しているため、今年上位だったからといって、来年も同様とは限りません。例えば、以前はランキング上位の常連だった銀行は、マイナス金利政策で収益が悪化し、今はなりを潜めています。人員削減や合理化の流れも強まり、今後盛り返すのは難しいでしょう」(坂田さん)

 だが、復調の兆しのある業界もある。坂田さんが続ける。

「電力業界は東日本大震災以降、賞与を抑える傾向にありましたが、今年67位に関西電力が付けました。今後また電力関連企業がランキングに食い込んでくる可能性はあります」

 また、好調な企業は、海外で事業を展開し成功している企業に多いという。今後笑うのはどこの業界か、見つめ直すいい機会かもしれない。

※女性セブン2018年6月28日号

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