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上司からの強引な飲みの誘いはパワハラに抵触するか?

パワハラか否かはどう判断されるのか(イメージ)

 社会人の通過儀礼の1つが飲み会への参加。近年では「アルハラ」(アルコールハラスメント)という単語も生まれ、“飲みニケーション”は過去のものとなりつつあるが、上司からの強引な飲みの誘いはパワハラの定義に抵触するのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 上司から「お前」と呼ばれた新入社員が辞表を出したと報道で知りました。私の息子も上司からの飲みの誘いに辟易しており、執拗に勤務外で飲みに誘うのなら、パワハラで訴えるといっています。私たちの時代では、なんでもなかったことが問題になるようです。最近のパワハラの定義などがあれば教えてください。

【回答】
 厚労省の定義では、パワハラを「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」とし、

(1)身体的攻撃(暴行・傷害)
(2)精神的攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)
(3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
(4)過大要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
(5)過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
(6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

 の6つの行為類型があるとしています。

 パワハラにあたるかどうかは当該行為の動機、目的、内容、態様、時期・時間、場所、周囲の状況、当事者の人間関係などをもとにして、これらの定義と行為類型に照らし、総合的に判断すべきであると解されています。

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