【要注意3】「抜かない歯医者」の強調

 症例によって抜歯するケースもあるのに、「抜かない」「自分だけの高いスキル」という根拠が定かでないイメージを強調する歯医者がいる。これは「誇大、虚偽」の可能性がある。抜歯を回避するには、専門的な訓練を積んだ歯医者が、高度医療機器を駆使する治療を選択したほうが確実だろう。

【要注意4】「短期間で治療が可能」という罠

 歯科医療に関する厚労省の検討会の構成員を務める、高梨滋雄弁護士によると、矯正やインプラントでトラブルを起こす歯医者は「短期間で可能」とHPで強調していることが多いという。

「良い歯科医は、術前検査、治療計画の立案、インフォームド・コンセントに時間をかけます。短期間の治療は、大事なプロセスを軽視しているのです」(高梨弁護士)

【要注意5】「インプラント手術数」の実績を強調

 一般の人が誤解しやすいのが、インプラントの症例数を強調しているHPだ。専門分野が異なる歯医者は、「そんなに沢山の抜歯をしてきたのか」と見るという。歯を残す技術が低い、という側面もあるのだ。インプラント治療は、手術後のメンテナンスも重要なので、HPで一切触れていない歯医者は要注意だ。

【要注意6】「歯周病治療は、すい臓がんなどを予防」

 この文章は、東京の歯科医院が、現在もHPに掲載している。歯周病と「がん」の因果関係は全く解明されていない。恐怖心を煽って患者を誘引するのは違法行為だ。

●文/岩澤倫彦

※週刊ポスト2018年7月13日号

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