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2018.07.10 16:00  マネーポストWEB

Fラン大学の学生、就活の敵は「学歴フィルター」だけではない

不利な状況を自らさらに厳しくするケースも(写真はイメージ)

 2020年卒業予定の大学生たちは、夏休みのインターンシップへの申し込みを皮切りに事実上の就職活動をスタートさせている。今後、会社説明会(セミナー)やエントリーシート提出などで本格的な採用選考が始まる。その際、大学名でこっそり学生をふるいにかける「学歴フィルター」が仕込まれていることがある。だが、残念ながら、いわゆるFラン大学の学生は「不利な状況を、さらに自ら不利にしている」と専門家は指摘する。『学歴フィルター』(小学館新書)の著者で就職コンサルタントの福島直樹氏が解説する。

 * * *
 大学名でこっそり学生をふるいにかける「学歴フィルター」は確かに存在する。低選抜大学(この中に、いわゆるFラン大学が含まれる)の学生にとって不利なのは事実だ。だが、やり方次第で彼らは上位大学の学生と伍して戦える。それはこれまで私が就職コンサルタントとして指導してきた経験から自信を持って言える。

 だが、残念ながら意欲の面で彼らが上位大学の学生に見劣りすることがある。意欲は就活における行動量に直結する。

 厚労省関連で就活生向けに情報提供や対策講座などのサービスを行う団体の担当者から聞いた話だ。

「就活の解禁にあわせて、私たちも業界研究やエントリーシート対策講座などのサービスを開始しますが、最初は上位大学の学生ばかり来るんですよ。中堅大学も来ますが少ないですね。低選抜大学(この中の一部はFラン大学)にいたってはさらに少ないのです。

 ただでさえ上位大学が有利なのだがら、個人的には中堅大学や低選抜大学の学生に頑張ってもらいたいんですよ。でも残念ながら来てくれないんですよね。各大学へは偏差値に関係なく満遍なく広報しているんですが、どうしてでしょう?」

 就活の行動量、活動量は概して上位大学の学生の方が多いというのだ。定量的なデータがないので数字で証明することはできないが、長年学生を見てきた私も同感である。これがさらに上位大学が有利な状況に拍車をかけている。

 私はいわゆるFラン大学の学生を否定したいのではない。彼らを指導することにやりがいを感じているし、長年応援してきた。そして上位大学に伍して戦い、大手企業から内定を得た学生も知っている。ただし、そのためには学生本人に意欲がなくては難しい。

 だが、偏差値の低い大学の学生には、意欲を失ってしまったように感じられる人もいて、とても悲しくなる。

 それなりに長い年月この仕事をしていると、毎年私が講演をしている大学の中には、ゆっくりと偏差値が下がっていく大学がある。昔と今で明らかに雰囲気が違う。

 偏差値が高かった頃は学生が「ピシッとしている」印象があった。私の講演中、学生は話に集中して、あまり動かない。またほとんどの学生が講師の私に視線を注いでいた。外部の講師から「自分たちがどう見られているか」を意識しているように感じられた。

 偏差値がやや下がった今はどうか。「だらっとしている」印象になった。話に集中せず、ごそごそ動く学生が増えた。講師を見ずにパンフレットやスマホを見ている。必然的に私と目が合う学生が減った。外部の講師から「自分がどう見られているか」を意識していないようだ。特に男子学生にそのような傾向を感じる。

「学歴偏重、偏差値至上主義は諸悪の根源だ」という批判は昔も今もある。しかし良し悪しは別として、偏差値は何かの事実を物語っている。

 私は社会的公正という観点から見て、学歴フィルターには問題があると考えている。しかし現場で学生と長年接していれば誰でも自然と気づいてしまう。そして多くの企業の人事はそのことを知っている。それは企業が学歴差別を行う理由の一つと思われる。

●ふくしま・なおき/1966年長野県生まれ。就職コンサルタント。上智大学文学部卒業後、大手広告会社勤務を経て、1993年より就職に関わる執筆、講演活動、学生の就職支援を行う。最新刊に『学歴フィルター』(小学館新書)がある。

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