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2018.07.20 15:00  マネーポストWEB

分散投資を有利にする「アセット・ロケーション」の考え方

お金の「置き場所」を意識すれば投資は有利になる


「分散投資」が投資の基本であることはよく知られている。そして、長い目で見ればその分散した資産を“どこに置くか”が将来を大きく左右することになる。ファイナンシャル・プランナーの清水斐氏が「アセット・アロケーション」と並んで大切な「アセット・ロケーション」について解説する。

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 金融に対して興味を持ち、さまざまな方法で運用を行っている方が増えてきました。それはファイナンシャル・プランナーとしては、とても嬉しい状況です。そのように運用を始めた方には、もう一歩踏み込んで考えていただきたいことがあります。それは「アセット・ロケーション」と呼ばれる考え方です。つまり、「資産の種類に応じた最適な置き場所を考えること」です。

 アセット・ロケーションと似た言葉に「アセット・アロケーション」があります。アロケーション(allocation)を直訳すると「配分」。すなわち“複数の資産に配分しリスクを小さくする投資戦略”ということで、投資の基本と言われる「分散投資」の考え方そのものです。

 アセット・アロケーションの考え方で分散投資をするなら、その置き場を考える「アセット・ロケーション」が重要になるのです。例えば「投資信託」を取ってみても、昔からある一般的な「証券口座」で運用するのか、「NISA(少額投資非課税制度)」の口座か、あるいは「つみたてNISA」なのか、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の口座で運用するのかで、大きく変わってきます。

 資産に応じてより良い置き場所はどこか、例を出して考えてみましょう。

「国内株式」「海外株式」「国内債券」「海外債券」の4種類の資産に分散投資すると仮定します。4つの中で最もリスクはありますがリターンも期待できる「海外株式」は、「NISA」や「確定拠出年金」といった“置き場”で運用するほうが運用益が非課税になるため、リターンはより高くなります。

 逆に「国内債券」はリスクが低い分、リターンは大きく見込めません。であれば、「確定拠出年金」のような60歳まで引き出せない口座ではなく、一般的な証券口座で運用をしてもよいのではないか──と考えられます。

 また、「NISA」と「つみたてNISA」はどちらかしか利用できません。前者は投資額が年間120万円までで非課税運用期間は5年間(合計600万円)。後者は投資額が年間40万円までで非課税運用期間は20年間(合計800万円)。

 個別株式で運用する場合は最低でも数十万円かかるケースがあり、しかも短期での値動きが大きくなる傾向があるので、「NISA」を“置き場”とするほうがメリットを享受できます。一方、投資信託で運用する場合は運用期間を長く考えた方がいいので「つみたてNISA」を“置き場”とするほうが適している傾向にあります。

 NISAや確定拠出年金は、それぞれ運用期間や投資金額に制限があります。その特徴をうまく活かして置き場所を検討しましょう。

◆20~30代の場合なら……

 一例ですが、30代くらいまでの方だったら、以下のようなアセット・ロケーションが有効だと考えられます。

・確定拠出年金(iDeCoなど):海外株式
・つみたてNISA:国内株式・海外債券メインの投資信託
・一般の証券口座:国内債券
・その他:預貯金・保険・不動産など

 これが40代以降の方になると、60歳で「確定拠出年金」の運用を終えて受給しようとする場合、20年間新たな投資資金を運用できる「つみたてNISA」のほうが運用期間が長く取れますので、「確定拠出年金」と「つみたてNISA」に置く商品を逆にしたほうがいいという考え方もできます。

 なお、「確定拠出年金」は60歳まで原則として解約・現金化はできませんが、スイッチングといって資産種類を変更することはできます。

 実際には、どんな商品に投資するか、いつ使うお金を投資するかなどといった事情やタイミングも含めて検討することになります。少し管理に手間がかかりますが、楽しんでアセット・アロケーションとアセット・ロケーションの考え方で投資して、明るい未来を切り開いていただきたいと考えています。

◆しみず・あや/CFPR、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、証券外務員I種。30歳でファイナンシャル・プランナーとして独立、長野・東京で活動中。主に30~40代の「普通のくらし」を求めている方への「自分がお客様の立場だったらどういう判断をするか」を軸にお金の持ち方・つかい方のアドバイスに力を入れている。ライフプラン作りから資産運用まで老後にわたる継続的なサポートすることを事業理念として活動している。HPはhttp://www.fp-saku.com/。

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