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2018.07.21 15:59  週刊ポスト

アートか猥褻か 仏の巨匠・マッケローニ氏が出した答え

アンリ・マッケローニ氏

 女性器がアートであることを世に知らしめたフランス人芸術家、アンリ・マッケローニ(1932~2016)の生涯をモデルにした映画『スティルライフオブメモリーズ』が公開される。

 彼が死去する2年前の2014年、私は南仏ニースにある自宅を訪ね、日本人による最初で最後の取材を行なった。優しく微笑む皺だらけの老人の顔は、まるで眼前に広がる碧色の海岸で水遊びに明け暮れる少年のようだった。

 今は亡きその巨匠が、世界初の女性器写真集『ア・ノワール・コルセ・ブリュ』を世に送り出したのが1971年。そこには7人の女性のスキャンダラスなヴァギナ──小陰唇、陰核、それを覆う陰毛──がさらけ出されていた。女性器に魅せられたきっかけをこう語っていた。

「私の展覧会に来た女性と午後のひと時を過ごしたんだ。窓から降り注ぐ太陽の光が、昼寝をする彼女の性器を照らし、なんとも美しかった。それを見て、写真に収めるべきだと思ったんだ。1969年、37歳だった」

 生前、撮影した女性器写真は、1万枚を超えるとも言われる。日本の美術館に送った作品が猥褻と判断され、帰国したこともあった。日本では、今も昔も、女性器がポルノグラフィーの領域から脱出できないままでいる。

「私にとって、女性器はポルノとは無関係だ。ポルノとは下品なもの。使われるもの、物扱いされるもの、商品であるという考え方だ。女性器とは、エロティシズムの頂点にある」

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