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2018.07.23 15:00  マネーポストWEB

年金受給者だけが使える融資制度「年金担保貸付」の仕組み

まさかの時のために、年金を担保にお金を借りられる制度


 突然まとまったお金が必要になっても、高齢者の場合、民間金融機関の融資を受けるのは簡単ではない。年齢制限が緩いローン商品もあるが、貸付の利率は高く、10%を超える商品も少なくない。

 しかし、年金受給者だからこそ使える有利な融資制度もある。年金を担保にして融資を受けられる「年金担保貸付」だ。独立行政法人福祉医療機構が実施している公的な制度である。

 借りられる金額は、10万円から300万の範囲内で年金額の8割以内。2.1%という低金利だ。返済は最長2年半かけて年金から行い、1回あたりの返済額は年金受取額の3分の1までに制限されている。具体的には、偶数月に受け取る年金を本人に代わって機構が受け取り、返済額を差し引いた額を本人の口座に振り込むしくみだ。

 ただし、資金の使い道は、医療や介護に関する費用、住宅の改修や購入、教育、冠婚葬祭、自営業の事業維持などに限定されている。とはいえ、消費者金融の借金返済や滞納している家賃、光熱費、税金、社会保険料などの返済にも充てられるので、こうした支払いや高利のローン返済が溜まっている人は検討する価値はあるかもしれない。

 単なる生活資金という理由では認められないが、具体的な家電や寝具など必要なものの購入費としてなら融資は受けられる。その場合、見積書や領収書、買う予定の物の値段がわかるカタログなどを提示する必要がある。

 原則、連帯保証人を立てるか、保証料を支払って信用保証機関の保証を受ける必要がある。保証料はケースによるが、60万円の融資を受けたら2万程度が目安だ。

 しかし、貸付を受けた後で生活が困窮し、生活保護を受ける例が頻発したことなどから、この制度は将来的に廃止されることが決まっている。具体的な時期は未定だが、貸し付け額は段階的に減っており、規模が縮小される傾向にある。

 老後の生活の基盤となる年金から返済を行うので、安易な利用は老後の生活費をダイレクトに圧迫する。あくまでも本当に困ったときに、必要最低限の額にとどめておくのが重要だ。

文■森田悦子(ファイナンシャル・プランナー/ライター)

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